高山右近

たかやま うこん

摂津織田家臣。

もとは摂津の国人領主で三好家に属していた。

父と共に洗礼を受け切支丹となる。

右近が元服するころ三好家は衰退しており、荒木村重に属して高槻城を領した。

若いころに乱戦で首に致命傷を負ったことがある。

誰しもが助かるまいと思ったが、右近は奇跡的に回復した。

そのこともあってより一層キリスト教を信仰するようになったという。

荒木村重が謀反を起こした際、右近は悩んだ末に織田家への臣従を選ぶ。

本能寺の変の後も、明智光秀の誘いを断り羽柴秀吉に臣従した。

その後も秀吉幕下で転戦し加増を受けていたが、やがてバテレン追放令が出された。

才を惜しんだ秀吉は右近に棄教を迫ったが、右近は「たとえ全世界を領地として与えられようと、信仰は棄てませぬ」と応えた。

こうして右近は追放され、加賀前田家の預かりとなった。

表向きは囚人だが、客人としてもてなされ築城などにも尽力している。

小田原征伐にも前田勢に従軍した。

やがて時代は徳川の世となったが、今度はキリシタン国外追放令が出された。

右近もやむなくマニラに追放となり、現地に到着してまもなく没した。

なお右近は千利休の高弟で、利休七哲のひとりでもある。

おなじ利休七哲の蒲生氏郷とは親友であった。

おなじく利休七哲の細川忠興と、蒲生氏郷と右近の3人で、陣中で牛鍋をつついたことがある。

蒲生氏郷も右近の勧めで入信した。

氏郷は若くして病死したが、その最期には右近が枕元に付き添って祈り、臨終を看取った。