武田信玄

たけだ しんげん

甲斐の守護大名。

名は晴信で、信玄は出家後の法名。

甲斐を本拠に隣国の上杉、北条、今川家などの戦国大名たちと抗争や、また同盟を繰り広げた。

信玄は「甲斐の虎」と恐れられ、宿敵の上杉謙信とは5度に渡って川中島で戦っている。

その後、足利義昭の求めに応じて信長討伐に三河へと侵攻し、徳川家康を三方ヶ原の戦いで打ち破るも、西上途中に病没する。


信玄は格式高い家名の上杉姓を気に入らず、上杉謙信を旧姓の長尾と呼び続けていた逸話が残る。

信玄で有名な「風林火山」は、孫子の兵法にある一節。

この文にはまだ続きがある。


原文は


其疾如風

其徐如林

侵掠如火

不動如山

難知如陰

動如雷霆

掠郷分衆

廓地分利

懸權而動


意味は


疾きこと風の如く

しずかなること林の如く

侵掠すること火の如く

動かざること山の如し

知り難きこと陰の如く

動くこと雷霆の如し

郷をかすめて衆を分かち

地をひろげて利を分かつ

権をかけて動く


とくに後半部分は解釈がさまざまで、一例をあげると


機密(難知)は陰のようにさとられず

いざ動くときは雷霆のように

領地を奪うだけでなく(掠郷・廓地)

統治することで(分衆・分利)

兵を強くし(懸權)

さらなる侵攻ができる(而動)

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