越後の戦国大名。

元の名は長尾顕景（あきかげ）で、母が上杉謙信の姉。

子のいない謙信の養子となって、上杉景勝を名乗った。

謙信の死後、家督争いで同じく養子の上杉景虎（北条氏康の子）を破り、上杉家の当主となった。

この家督争い（御館の乱）では、政敵の上杉景虎はもちろん北条家の支援を受けていたが、景勝は武田家と結ぶことで支援を得て勝利した。

しかしこの内乱や、家臣の新発田重家の反乱で上杉家は衰退。

武田家も滅亡し、織田家の侵攻で越中国も失い上杉家はもはや滅亡寸前であった。

しかし本能寺の変によって信長が横死すると状況が一転する。

上杉家は羽柴秀吉と手を結び、賤ヶ岳の戦いや小牧・長久手の戦いでも越中の佐々成政を牽制した。

その後は秀吉に臣従、越後の再統一や出羽へも侵攻し、最終的には会津120万石の大大名へと成り豊臣政権で5大老の1人となった。

秀吉の死後、専横を始める徳川家康とは険悪になり、ついには会津征伐、そして関ケ原の戦いへと発展する。

上杉家は西軍勢力として出羽で伊達・最上勢と戦うが、関ヶ原本戦で西軍が敗れる。

結果、徳川家康に臣従し米沢30万石へと減封となった。

その後は大坂冬の陣にも参陣、夏の陣では京の警護をしている。

景勝は戦国一の「笑わない男」として有名である。

かの前田慶次も、京の伏見城の宴会で余興をし諸大名を楽しませたことがあるが、上杉景勝だけは「威風凛然」としていて近寄りが立ったと語っている。

しかしそんな景勝も一度だけ笑ったことがある。

あるとき飼っていた猿が、自分の頭巾をかぶりお辞儀をしたとき、思わず微笑んだという逸話がある。

景勝の時代に上杉家は佐渡を領し、「佐渡金山」の金の算出量は全国の3分の1に及んだ。

会津転封後でも、佐渡支配は上杉家が継続することが認められていた。

しかし江戸時代になってからは幕府の直轄となってしまう。